※今回の記事の大部分はこちら「科学的な適職」に基づいて記載させていただいています。
この記事はこんな悩みや疑問に対応しています。いや、これもうほんと全就活生・全転職者・全人事関係者に聞きたいんですけど、
「好きなことを仕事するのが幸せ」って思っていませんでしたか?
それ、科学的には幸福度を下げる上に成長速度を遅くし、すぐに辞める人間の特徴なんだそうですよ?
じゃあ嫌いな仕事を「イヤイヤやればいいの?」ってなりますよね。どうもそういうわけではないようです…
もくじ
記事概要
この記事では「科学的な適職」で紹介されていた科学的な実験をベースに、好きを仕事にするのが間違っているという例を紹介します。基本的には客観的なデータがベースとなります。
そして最後に、それでも好きを仕事にをあきらめない方に向けて、同じく好きを仕事にしようと挑戦している自分の立場からの意見も書いています。
この記事に向いている人
- ・好きなことを仕事にしようと頑張っている全ての人
- ・これから就活を始めようとしている人
- ・いまの仕事に不満を持っている人
- ・全就活生・全転職者・全人事・人材関係者
この記事の結論
2.仕事は仕事と割り切ったほうが継続率・成長度も高い
3.好きを仕事にするのではなく、選んだ仕事を努力し好きになろう
4.それでも。明確な目標がなければ好きを仕事にしてみよう
日本人はみんな好きを仕事にしたい
ご挨拶が遅れました。
こんにちは、19卒で入った会社は3年以内離職率70%越え(一般に平均30%程度)、就活生の時は好きな仕事に就くために58社からお祈りを受けてきた、ゾゾゾンビと申します。
「好きなことを仕事にして、成長していきたい」
これは正直僕自身が強く思っていることですし、
このブログを読んでくださったあなたもそうではないですか?
(ちなみに僕は、今でもマーケティング職やスキルへの希望が捨てられず30万はらって転職スクール(DMMマーケティングキャンプ)へ申し込みました)
ギャラップ社(ストレングスフィルターという性格検査で広く知られた会社)が行った、仕事への熱意度調査というのがあるのですが、日本は139か国中132位、熱意溢れる社員の割合は6%程度だったそうです。
また巷を調べれば、
仕事が嫌だという声から、果ては詐欺としか思えないような書き込みまであふれています。
これだけ仕事に関する負の感情が溜まっていると、みんなもっと楽しくて自分が心から好きな仕事をしていきたいと思ってしかるべきですね。
好きを仕事に派VS安定した仕事をしたい派
しかし好きなことを仕事にできたら、成功して幸せになれるかというと、どうやらそうではないようです。
2015年ミシガン州立大学が行った「Finding a Fit or Developing It: Implicit Theories About Achieving Passion for Work」という好きなことを仕事にするのは幸せかという大規模な調査があるのですが、アメリカの数百の職業から聞き取りを行い、被験者を2種類のタイプに分類しました。
「好きなことを仕事にするのが幸せだ」と考えるタイプ。給料よりもやりがいや満足度を求めがち。個人的に、ベンチャー系を受けていた就活中はこの手合いが非常に多かったですね。シンアドやマスナビを使っていた時よく会いました。
「仕事は続けるうちに好きになるものだ」と考えるタイプ。仕事の楽しさよりもお給料やプライベートを重視するタイプ。安定した仕事をしたい派。公務員やメーカーを目指している友人が口にしていた印象があります。
さて、
皆さんはどちらのタイプですか?
どちらのタイプのほうが成長して、意欲的に仕事をすると思いますか?
考えてくれましたか?
答えは、成長派ほど、年収・幸福度・役職すべての面で勝るというものでした。
納得いかねえ。好きなこと・やってみたいことやってなんでそんなことになるんだバカだろ
本当にそう思いますよね…でも違うんです
実際には、好きな仕事でもそれを行う上での対人トラブル・クライアントや納期や上司それぞれとの兼ね合い・掲げている目標との差………
好きであるからこそ、多くの困難がよりつらく見えてしまうのです。
好きなことを仕事にするほど「思い描いていた姿とのギャップを感じ」「そもそもその仕事が好きだったのか」と考えやすくなるそうです。
逆に成長派(安定派)は最初から仕事に対し、ある種のシニカルさを抱えています。
結果、どんな問題が起きても「こんなものだ」と受け入れるので最終的に前に進めるというわけです。
仕事への熱意や好意を聞いてる人事担当者さんへ
それ100%逆効果って知ってましたか???
恋愛結婚をした人間の幸福度は結婚後落ちる傾向にあるが、お見合い結婚をした人間の幸福度は上昇傾向にあり、
結果、離婚率もお見合いのほうが少ない、という似た研究が紹介されています。
ぷちまとめ
・好きを仕事にする適合派は幸福度・年収・キャリアの面で劣る
・現実の仕事の、好きではない部分への向き合い方によって満足度が変わってしまう
好きを仕事に=長続きせずに辞める上に成長しない
前の項目では「好きを仕事にした人間はそうでない人間と比較して幸福度・年収・キャリアが低くなる」と解説をしました。
「でも好きなことだったら努力できるし、成長していけるのではないか」
そう思ったそこのあなた。
それも間違いです!!!!!
次に紹介するのはオックスフォード大学の研究「Negotiating the Challenges of a Calling」です。
この実験では、好きを仕事にした人ほど長続きしないということが語られています。
ここでは北米の動物保護施設で働く男女を対象に、被験者を、
2.みんなのために派(自分の仕事の目的を意識して、みんなのためになると思いながら働く)3.
割り切り派(仕事は仕事と割り切って働く)
この3つに分類
仕事のスキルと継続率を調べたところ、
一番優れていたのは割り切り派だったそうです。
これも理由は前項と同じで、好きな仕事であればあるほど、その仕事の後ろ向きな面・つらい部分に直面しダメージを受けてしまう傾向にあるようなのです。
ぷちまとめ
好きという気持ちはマイナスに働いてしまうこともある
仕事を好きになるにはどうしたらいいか
では私たちはどのように仕事への情熱を見つければいいのでしょうか。
僕「実は好きな仕事を見つける、という考えそのものが間違いなんですね」
2014年にロイファナ大学が「I Put in Effort Therefore I Am Passionate」という研究で、多くの起業家に、自らの仕事をどれだけ天職ととらえているのか尋ねてみました。
すると出てきた結論は、
・過去に注いできた努力の量が多くなるほど、現時点での情熱の量も増加していた。
この2つだったそうです。
最初のうちはなんとなく仕事を始めたのに、それに情熱を注いだことで熱意が生まれ、より仕事を天職と感じていく。
つまり
×好きを仕事にする。
〇選んだ道で努力をして好きになる。
という答えが出てくるのです。(もちろん仕事の幸福度を決めるのは仕事への情熱だけではありませんが。
また前章の北米動物保護センターの実験などは、元々”好きではじめる人間がいるような仕事”という前提があるので、
いま仕事がつらくてどうしようもない人は、とりあえず口コミサイトで自社の立ち位置を確認するのをおすすめします。
まあこれって当たり前のことで、
一度始めたオタク趣味をやめられない、一度始めた努力が間違っていても変えることができない、というのは実際によくありますよね!
ただこの実験の結論は皆さんも覚えておいてください
「天職につくことができた人の大半は、事前に『人生の目標を決めていなかった。彼らが転職を得られたのは、ほとんどが偶然の産物だった』」
ぷちまとめ
・好きを仕事にするのではなく、選んだ仕事を努力し好きになろう
・天職につくことができた人のほとんどは偶然
得意なことが分からない、明確な目標がないあなたへ
この記事のベースは科学的な適職という上記の本です。
この本の「好きを仕事に」の章の最後では、
科学的には間違っている「好きなことを仕事に」が消えないのは、市場規模が大きいという面があるのではないか。好きなことを仕事にすればうまくいくという考え方は直感的でわかりやすく、支持する人間はいくらでも現れる。
であれば、そうやって好きなことを仕事にと囁くほうがビジネス的にお得だ、というように言われています。
それでも僕は好きなことから仕事を選択していくのは間違いではないと思います。
ここからはめっちゃ個人的主張が入ります。お気を付けください。
自分の就活体験を踏まえて
これを読んでくださっているあなたは就活生ですか、それとも僕と同じ転職中の方、あるいは人事・人材サービスの関係者かもしれないですね。
僕は就活中58社から落ちましたし、リクルーターや会社によっては、雰囲気からして広告業界っぽくない、向いてないんじゃないの? と言われたこともあります。
たしかMeetsCompany とかだったかな。
そういうことを言われるたび「自分は何がしたいんだ」と打ちひしがれていました。
就活中、これでもかと耳にした言葉に「人生の最終的な目標は」というのがあります。
いま志望動機を作られている就活生の方なら、
志望動機を作る手順として、
というベターなやり方をご存じの方もいますよね
これ、
クッッッッッッソ嫌いだったんですよね。
いま〇〇をしていて楽しい、○○をしてみたいということはあっても、
どこかのかっこいい社長が語るような「世界を変えたい」「社会に○○の文化を生み出す」そういった目標はどうしても出てきませんでした。
もちろん、何かを成し遂げる上で、目標設定とそこから逆算して道のりを決めるのが大事というのはわかります。
それでも、この記事を読んでる皆さんは5年後10年後あるいはもっと先に、○○をしたいという動機で、目の前のことをこなせるでしょうか。
そもそも、「天職につくことができた人の大半は、事前に『人生の目標を決めていなかった。彼らが転職を得られたのは、ほとんどが偶然の産物だった』」わけです。
未来のことが誰にもわからないなら、せめて自分のやりたいことを定めて、その中で打ちひしがれようとなんだろうと努力していけばそれでいいと思うのです。
好きなことを仕事にして幸せになれなくても、それはそれで幸せじゃあないでしょうか
個人的、就活・転職のバイブル
個人的な感情を失礼しました。
今回紹介した科学的な適職は間違いなく会社選びをするときに読むべきベストバイブル本ではありますが、もうひとつ、個人的におすすめしたいのは、
転職の思考法この本です。
実はさっき言った話の内容はこの本から影響を受けている部分があります。
この本は、転職市場の中で仕事を選ぶための手順を著者ご自身も就活の現場で働く立場から解説しています。
内容についてはまた別記事で今後紹介しますが、大まかにいうと、
2.これから伸びていく業界・成長できる産業を見極め、
3.日本の就活・転職市場の特徴や使い方を把握し、
4.自らの型に合わせた仕事選びをする
この型の部分について、転職の思考法では、
1. to beタイプ→目標を定めそれを成すため動く
2. beingタイプ→どんな人間,状態でいたいかで動く
人間をこの2つのタイプに分類しています。
そして、
99%の人間が明確な目的意識を持っていないbeing型人間だ、といっています。
故に目的意識がなかったとしても、それは珍しいことではない。
Being型の人間は自分が、どんな状態で働けば快適なのか、
自分が意識することなく自然とうまくできている得意なことを見つけ、 自分の得意と好きを絡めることで仕事をすることが重要だ。と言っています 。
僕はこの考え方に全面的に賛成します。
僕の将来の目標は、フリーランスや企業の外部のマーケティング統括のような立場で、飲食店などリアル店舗の集客を手伝いたい、というものですが、
そんな目標を持ってる自分でも、
布団にくるまって何にもしたくないと「うー」「あー」と言いながらツイッターとラインを往復するような日だってあります。
結局なーんにもしたくないんだよな
何もしたくない時、それでも何かをしようという原動力として「好き」という気持ちは強いはずです。
僕ら凡人は「大きな目標」を持たない人間が大半です。しかし、ほどほどに好きなことは全員が持っているのです。そして、○○をしているときが幸せ、楽しいという感情は誰でも持っているはずです。
科学的に好きを仕事にするだけでは、うまくいかないかもしれません。
それでも自分が得意なこと・ストレスを感じないこと、好きを仕事にできるように頑張るのは悪くないでしょう。
今回の話を読んで、好きorそれ以外で仕事選びをする人どちらも、科学的な適職は役に立つはずなので是非!
また、それでも好きを仕事にしようと思う人はお酒でも誘ってください笑 都内ならどこでもいきます
まとめ
まとめ
2.仕事は仕事と割り切ったほうが継続率・成長度も高い
3.好きを仕事にするのではなく、選んだ仕事を努力し好きになろう
4.それでも。明確な目標がなければ好きを仕事にしてみよう
今回引用した本の紹介
7つの徳目
8つの大罪
などと銘打ち、一般的に正しいと思われている仕事選びの誤解を科学的データに基づいてボコボコにしてくれます。
今回紹介した「好きを仕事には間違っている?」のほかにも、
楽すぎる仕事は死亡率を2倍に高める、
就活で行われるエニアグラムには科学的な根拠が一切ない、
通勤時間が長いほど肥満率・離婚率が高くなる
など、驚くような項目が満載ですよ!
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